ハスキーで力強く響く野太い声は、
あてもなく荒野に吠える獣みたいだ。
その声は僕を、
夜更けに吹くそよ風のように優しく慰め、
時に戦火のごとく激しく鼓舞する。
そして頭の中を駆け巡り、心と身体を動かした。
自分には真似ができないと思った。
真似ができないからこそ、強く憧れるんだろう。
1990年代の僕は、
ニルヴァーナと共にグランジというジャンルで括られたパール・ジャムの扱いに違和感を感じようが、
そんなことはどうでもよくて、
まだ見ぬアメリカの大地、風、空気、生活をナマで感じさせてくれるエディ・ヴェダーの歌声にただただ耳だけを傾けていた。
CDショップの試聴機が
新しい音楽との数少ない出逢いの場だったあの頃、
柏駅のディスクユニオンで
パール・ジャムの「Vs.」というアルバムを聴いた。
それまでのHR/HM一辺倒だった僕の音楽趣味が
ひっくり返ったっけなぁ。
パールジャムの「Vs.」と、
翌年に出た「VITALOGY」は、
今までの人生で1番数多く聴いたアルバムかもしれない。
あれから30年近くが過ぎ、
好きなアーティストの映像を
好きな時に
好きなだけ観られる時代になったけど、
憧れが色褪せることはなかった。
つづく
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【菊永真介ソロ作品 リリックMV】
「あおむけの宇宙」
「貝殻の部屋」
「HAPPY?」
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